世界5大ジュエラーの一つとして格式高いブランドの一面も持ちつつ、低価格帯の商品も取り扱いのあるティファニー。幅広い層の顧客からの支持を得るブランドの歴史は1837年、チャールズ・ルイス・ティファニーとその友人であるジョン・B・ヤングがブロードウェイにTIFFANY & YOUNGという文房具店をオープンしたところから始まりました。
1853年にジュエリーを取り扱うようになり、高級ジュエリーも発表するようになりました。この時に現在の社名であるTIFFANY&Co.へと変更されました。
「ティファニーには、どれだけお金を積まれても、決して売らないものがひとつある。
ただし顧客には無料で提供されている。それは、ティファニーの名が冠された箱である。」
とニューヨーク・サン紙に掲載されたこともあるティファニーのシンボル、ティファニーブルーボックス。
どのようにしてこの美しい青に決まったのでしょうか。
春の訪れを告げる小鳥、コマドリの卵の色からきているそうです。コマドリはイギリスの国鳥、春を告げ、幸せを運ぶ鳥と言われています。
「ロビンズエッグブルー」とも呼ばれる鮮やかな青色です。自然界にあるものは全てとても美しいですが、従来想像する鳥の卵の色とは一線を画し、予想を上回りますね。

このコマドリの卵の色は大切なものを表す色として使われ、過去のイギリスでは土地や資産を記録する台帳などの表紙に、この青がよく使われていたと言います。ティファニーがこの色をカンパニーカラーとして採用したのは、顧客が購入してくれた商品が大切なものとして扱われ、それによって幸せが運ばれる、ということを意図していたのかもしれません。現在もこの色はティファニーカラーとしても有名で誰もが知ると言っても過言ではないかもしれません。
見る人を幸せにできる色の一つでしょう。
ティファニーを一躍有名にした出来事として1878年、287カラットという巨大なイエローダイヤモンドの原石を購入しカットしたものをティファニーダイヤモンドと命名しました。映画「ティファニーで朝食を」の広告でこのダイヤは一躍有名になりました。こちらは現在もニューヨークの本店に展示されているそうで宝石好きでなくとも一見の価値ありでしょう。
1886年にはティファニーセッティングを発表します。
このセッティングは婚約指輪のトレンドを一新しブランドは押しも押されぬジュエラーへと進化し続けます。

1902年にはクンツァイト、タンザナイトを発見、1999年には八角形のルシダを発表します。
日本では1980年代のバブル期にオープンハートの流行により、ティファニーのブランドイメージが下がってしまったという意見もありますが、幅広い層にまで知名度が行き渡ったことは違いありません。

「バイザヤード」シリーズもティファニーのアイコン的ジュエリーです。こちらはオープンハートと同じデザイナーのエルサ・ペレッティが手がけるシリーズで、丁寧に磨かれた一粒のダイヤモンドが洗練された印象を与えています。ダイヤモンドのカラット数が選べるのもポイントです。

その後も一過性でなく定番としてタイムレス、エイジレスの呼び名に相応しい、Tコレクション、ハードウェアなどアイコニックなアイテムを続々と発表していきます。
アメリカが建国されてからおよそ50年後に創業されたティファニーですが、その頃から続くブランドは現在ほぼありません。ティファニーが創業から15年でヨーロッパを追うことなく独自のアメリンスタイルを確立したことは偉業であるという言葉以外では言い表せません。現在もなお進化し続けるブランドの今後も楽しみですね。