CHANEL 2.55 バッグとは
シャネルと言えばこのバッグというほど有名なチェーンバッグです。
2.55と呼ばれるシンプルなこのバッグもまたシャネルが流れる時代の中で作り出した伝説のバッグなのです。
1920年代、女性が持つバッグはハンドバッグかクラッチバッグが主流でした。
どちらも片手でバッグを持つことに変わりなく、両手を自由にできるバッグを作りたいと考えたシャネルは、軍人が肩からさげていた紐バッグをヒントにして、ショルダーバッグのストラップをエレガントな二重チェーンにして売り出すことにしました。
その後、時代が戦争を選んだためフランスでの活動は余儀なくされ、一時休止します。30年近くの時を経て、その時の着想からさらに進化したバッグを創り上げました。

それが1955年の2月に売り出されたため2.55と名付けられたこのバッグです。エレガントさと実用性を兼ね備え戦後一気に増えた女性の社会進出も相まり大人気バッグとなりました。
持ち手にチェーンが使われたのはレザーよりも耐久性に優れているからで、二重のチェーンは彼女が過ごした修道院でスタッフが鍵を吊るすときに使われていた様子からの着想です。
そしてバッグの裏地として選んだバーガンディ色は修道院の制服の色からの着想です。
外側の裏側とフロントフラップの内側に収納部分があり、見た目だけでなく機能性にも優れたバッグです。

内側の収納部分には(恋多き♡)シャネルがいつでもラブレターを忍ばせていた、とされており、ルージュポケットと名のつく口紅をすっぽり入れられるポケットがあったりとシャネルの美学と遊び心にときめきが止まりませんね。
デート前にリップをさっと取り出し塗り直す、女性らしい発想に胸が高鳴ります。
軍人のバッグから着想を得たものでしたが、無骨さや味気なさとは無縁で、いつでも女としてエレガントさを忘れないシャネルのデザインはこれ以上ないほどセクシーでたくさんの女性を解放したことでしょう。
カジュアルなシーンからドレスアップしたい時の頼れる相棒としても、存在感もあるので華美にしなくてもしっかりと主張してくれるアイテムです。
発売から70年近い時を経てなお世界中の人を虜にできるこのバッグ、不変が普遍になった魅力で溢れています。